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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第007号 ’99−08−06★
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よく気づく人
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●何でも「ピン」と来る
人もいれば、「てんで」感じない人もいる。毎度言うが、人間は千差万別。
「ピン」から見ると「てんで」はマドロッコシイだろうし、「てんで」は
「ピン」みたいにピリピリしていたくはないと思うだろう。 水と油、か。
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人は持ち味、誰が役に立って誰は立たない、と区別するわけには行かない。
が、私の前の人生、サーモスタット屋は「ピン」でないと務まらなかった。
部下に「ピン」であることを求める以上、私が「てんで」では、てんで話
にならない。かと言って、私「ピン」です、と名乗れば胡散臭いだろうし、
その必要も無い。商売の成功がその証明ですよ。私は間違いなく「ピン」。
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どのくらいか。鉄筋コンクリート4階建ての工場、1階中央。自分のデスク
にいて、4階の小部屋でやっている手作業の不調を察知したくらい。ホント。
「ちょっと見てきてくれや。どうも・・・になってるような感じなんだ」で、
駆け上がらせたら、ほーらピッタンコ。 なぜ分かったんだ? それは、、
うーん、それは、、、どうして急にそう命じたのか、自分でも分からない。
とにかく、その時、その気になったということだけ。 理屈はありません。
* * *
敢えて似た体験を記憶から取り出すと、、その昔、ボクシングに打ち込んで
いた頃のこと。友人と奥多摩で山歩きの最中、突然、サッと身を沈めた、と
いうか沈んでしまった。我ながら意外でビックリ。見上げると、木の枝が、、
相手のパンチは必ず顔面で受けること、とはボクシング規則には書いてない。
だからヨケル? うん、ヨケルよ。 ヨケられるの? いや、ヤラレちゃう。
あ、クル、そらヨケル、とは行かないんだ。そんなもんじゃ全くないんだぜ。
真っ黒なもの!(が来る!)は感じる。が、ヨケルひまも無くドカン! さ。
考えたんじゃヨケられない。ヒラメキでヨケる。左脳じゃない、右脳ですよ。
体を動かすのは筋肉、その筋肉に出される命令のもとは直観。思考じゃない。
一人芝居みたいなシャドウ・ボクシングは、即ち、イメージ・トレーニング。
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練習に打ち込んでいたご利益でしょう。枝を見た、よけようと考える、てな
順序は省いていきなりセーフ! 木の枝の<殺気>を感じてヒラリ!ですな。
心・技・体。磨き上げればこんなものさ、エヘン。仕事でも同じことですよ。
何でもパッと分かっちゃう。ピンと来ちゃう。これ、プロフェッショナル!
「てんで」の人は、向いてないか、気が無いか、訓練が足りないか、、だな。
とにかく、それじゃダメなんだが、本人、なぜか平然。 だからダメなのね。
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●かつて「○○の悲劇」なんていう
本に書かれた電機大手のT社。不景気は昔もありましてね。その時の話です。
アチコチ整理しようということになるのは今も同じ。で、不採算部門の長が
次々本社に呼ばれ、引導を渡されたそうだ。 悪いニュースはすぐ広がる、、
と思うでしょ。ある日、「本社へ、、」と来たら、ついに俺も?! と思えば
普通。だが、思わないんですってさ。 これが「てんで」の人、たるところ。
相手は人事役員、「ピン」の人なら話の筋を準備して出かけます。「不成績、
面目ない」くらいで切り出し、挽回のチャンスを窺うでしょうな。ところが
「てんで」は大胆不敵、褒美は何でしょう? 手を差し出すのがいるという。
「いや、キミには、だな、」と早速、サヨナラの方へ話が移る。すると大概、
「てんで」は血相を変えて怒り出す、という。 えっ、なんでこの私が、!
*
ワカラン人てものは、そのくらいワカランのですよ。情報感度が低い、自己
評価が甘い、いや、無いのかも。従って、予測ということが出来ない。無い。
だから問題が起きるのだし、当然、起きた!と分かった時にも対処できない。
何とか対処したとしても、ウマクは出来ない。マズイ。 そりゃマズイよ!
こんなのを長としたのは誰だ?というのは別の話。とにかく「こんなの」が
長じゃ、その部門、不採算に陥って不思議でないし、挽回も出来ないだろう。
* *
長たるものがプロでなかったら、まず商売にはならんでしょ?競合の相手も
またアマチュア、てなことは普通ありませんからね。あなた、まさかそんな
「非プロ」(「ノン・プロ」は時にプロ以上なので)の下で働きたいと、?
思うわけありません、ね?ということは、、あなたも部下にそう思われちゃ
マズかろうということですな。さ、次の質問は少しキツイですよ。お覚悟!
あなたの自己評価はどちら、「ピン」の方か、それとも「てんで」の方か?
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●「ピン」に違いない、
とは期待しますが、、 では、「ピン」の皆さん、次の質問ですぞ。それ、
どんな実績で証明なさいますか? 職場で、人の関係、モノの扱い、何か
ピンと来て、それが問題の摘出やトラブルの解決につながったこと、ある
でしょう。いや、無い人もいるにはいるんだな。よほど運の良い人ですが。
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かつて松下幸之助は、ほかが同じようなことなら運の良い人を採った、と
伝えられています。ただ運が良いということは無い、よく気のつく人なの
だと解釈されたのでしょう。表現もアナログ的な、右脳本位の人材評価!
左脳的でデジタルな履歴書や成績証明書では読みとりにくいポイントです。
そこをズバリとはさすが。洞察力の人、最もよく気づく天才経営者でした。
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私はちょっと違った。学卒社員諸君に常々言ったのは「知識や努力も必要
だが、もっと大切なのは<ちょっとオカシイぞ>の感覚だ」、「カンだけ
じゃダメ。しかし、カンが働かなかったらもっとダメ」。右脳活用の奨め。
と言うからには、ダメでなくする方法も教えなきゃ、ザッツ・アンフェア。
即ち「アタリマエをきちんとやり遂げる習慣を身につけよう」という提案。
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家庭でも職場でも、ここじゃこうする、のアタリマエがあるのではないか。
ありますよ。事柄で分けることも出来るし、誰が引き受けるかによっても
分けられる。 個々には簡単。 普通の人が普通に出来る、ことばかり、、
ですか? それ甘いよ。塵もつもれば、、だぜ。 何一つオロソカにせず、
「全部」、「きちんと」、「やり遂げる」というのは、そう簡単じゃない。
それが普通にやれる人になれば、「よく気づく人」、「カンの働くひと」、
「運の良い人」にもなっている、、、はずなのです。 以下、具体的に。
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●いわゆるアタリマエ、
とは何でしょう? 「問題」の定義を当てはめると説明がつきやすいかも。
そうか、<あるべき姿>のことじゃないか! ハイ、よく気づきましたね。
とすると、「きちんと」とは<かけ離れ>が無い状態だ! ピンと来ます。
あとは、その状態が実現するまで「やり遂げる」だけ。 実行力ですよ。
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で、今回のメインは「実行力」の鍛え方。一つの例ですが、、、
禅寺で行なわれた研修に参加した人の話。まず寺のまわりの草むしりから
始まったそうです。昭和天皇がおっしゃった通り、「雑草」という名の草
は実際ない。まあ、「そこにあるべきでない草」とでも言いますか、それ
をむしり取る仕事。これを黙々、淡々とやる、、 いや、やらされます。
「目障りな草」が「無い」というのが、そこでの<あるべき姿>。なのだ
が今は「ある」、生えてる、それが<現実>。草をむしれば<かけ離れ>
はなくなる、、、即ち、問題解決。 実に分かりやすい、素朴なモデル。
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このモデルから、どんなヒントを見いだすか?
まず「目障りなものが無い状態」。そんなのを目の前にしたら、あなたは
どう感じると思いますか? 驚く? 感動する?? 不思議に思う???
でしょうかね? 多分、ノー。 だって、それ、あまりにもアタリマエ。
しかし「草むしり」、私は孫たち(5歳と2歳)には手伝ってもらわない。
むしらなくて良いのをむしる、根っこを残す、、教えるが、未だ覚えない。
結果はNG。本人たちに悪気は無い。が、こっちの仕事が増えちゃ困る。
やりたがるからやらせる。が、成果は挙がらない、飽きる、すぐやめる。
望むから入れるが、仕事はカラキシ。しかも我慢がなくて、すぐやめる、、
何やら孫の草むしりに、そのまま<現代>が重なって見えて来ますな。
抜くべき草だけをつかむ。その根本ちかくをシッカリと。そして、初めは
ユックリと力をかけ、根がゆるむのを感じたら、エイッ! と一気に抜く。
雑草の防衛機能か、根本の辺が切れやすく出来ている。 コツが要ります。
草の中には、抜かれる間際まで子孫繁栄へのアガキをやめないのがある。
身を震わせてタネをばらまく。抜いた草を袋に収めるまで、気を逸らして
はいけない。 トゲや虫にも注意が必要。 蚊がうるさい、かゆい、、。
* * *
お分かりですね?
まず、どうだったらそこが「良い眺め」なのか、その<あるべき姿>に
気づき、それとかけ離れた<現実>に気づくこと。 タイミングが必要。
<現実>の中の、捨てるべきもの、育てるもの。その区別に気づくこと。
つかみ方、力のかけ方、時にサジ加減、エトセトラ etc. に気づくこと。
ただガムシャラの一生懸命、じゃダメだ、ということに気づかなくちゃ。
ある程度の苦痛(草をむしれば指先が痛む。しゃがめば腰も痛む。虫に
刺されて、、)が伴うということに気づかないでいると、消耗が大きく
なり、挫折が早まる。 失敗は(成功どころか)次の失敗のもと!
「やり遂げる」には相応の時間がかかる。それにも気づかなくてはね。
強い意志を求めて「継続は力なり」と言う。 その寺にもこの警句が
墨痕鮮やかに掲げられていたそうですよ。 読まれていますね?!
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●職場の片隅の
小さな現象が、いきなり大事件に発展することは滅多に無い。確率も
低いし、いつタイヘンダア!の声があがるか、決まったものではない。
じゃあ、いっそ、ほっときますかね?
しかし、無から有は生じない。どのタイヘンにも、必ずやタネがある。
いくらビックリやスリルが好きでも、仕事は平穏無事にお願いしたい。
トラブルは芽のうち、根こそぎ摘み取るに限る。魔法はあり得ません。
早く気づいて見逃さず、適切な手段で徹底的に始末する。そんなリー
ダーがいる職場に、タイヘンなことは起きにくい。黙々淡々、よく気
づく人の周辺は、たいていアタリマエのことばかりなんですよ。
■竹島元一■
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